差圧による虫の侵入

2021.12.13

工場や倉庫など、虫のコンタミネーションが問題となる場所では、虫(特に飛翔性昆虫)を建物に侵入させないように屋外と屋内とのバリア性を高めることが重要になります。
しかし、それでもドアや窓などの開閉時には虫が侵入してしまうことがあります。
特に、とある条件下では、虫の侵入が多くなることが知られています。
それは建物内外で「差圧」が生じ、建物内が「陰圧」の状態の時です。この時にドアや窓などの開閉を行うと、侵入する虫の量を増やす事になります。
では、陰圧とはどの様な状態でしょうか?
画像1.jpg
写真のシートシャッターをご覧ください。シートシャッターの手前側が屋外で、奥側が屋内です。
シートシャッターが、奥にへこんでいることから、屋外と屋内で「気圧の差(差圧)」が生じていることが分かります。
差圧とは、内側と外側の2つの圧力の差のことで、圧力が高い側を「陽圧」、圧力が低い側を「陰圧」と言い、この状態で2つの空間の間が解放されると、陽圧側から陰圧側に気流が生じます。
写真では、屋内側が陰圧になっている状態です。
この状態ですと、シートシャッターが開いたときに屋内側に空気が吸い込まれ、その気流に乗り、本来侵入することのなかった虫まで侵入してしまう事になります。
陰圧になる条件の一つとして、換気扇によって屋内から屋外に空気が移動している状態が挙げられます。
この場合、給排気量の調整などで、屋内を陽圧に保つ事が、建物内への飛翔性昆虫侵入の抑制に繋がります。
差圧の生じる理由は様々ですが、屋内が陰圧である状態は、虫の侵入を防ぐ上で決して良い状態ではありません。
高清浄度での防虫を考える際は、このように様々な内容に目を向ける必要があります。

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