天井からの異音、それはネズミ侵入の可能性 -企業・施設管理者が今すぐ確認すべき防鼠対策-
2025-12-26

「夜間に天井裏から物音がする」
「営業時間外に何かが走るような音がする」
このような異音がある場合、建物内にネズミが侵入している可能性があります。
オフィスや店舗、工場、倉庫などの事業用施設において、ネズミ被害は衛生問題だけでなく、設備故障・火災・事業停止リスクにつながるため、早期の対応が重要になります。
ネズミは、小さなものではわずか2㎝の隙間があれば侵入が可能です。配線・配管・通気口などは新入口になりやすいため、注意が必要です。特に冬季は、屋内の暖かさを求めて侵入が増加する傾向にあります。
今回は私たちが実際に行っている調査の視点をもとに、ネズミ侵入の兆候や気を付ける点などについてまとめてみました。
〇ネズミ侵入を疑う「5つの確認サイン」
以下は、弊社が施設調査時に確認する基本項目です。
① 糞の有無
屋内に糞が見つかる場合、それはネズミ侵入の充分な証拠になります。ネズミの糞は、5~10mm程度の細長い形をしており、特に、湿り気がある糞は、新しいものである可能性が高く、ネズミの活動が現在進行形であることを示しています。
② 齧り跡(配線・資材・包装)
ネズミ侵入の特徴として、特徴的な齧り跡を残す場合が多くあります。
③ 天井裏や壁内の断熱材などの乱れ
天井裏や壁内の断熱材が乱れている場合、ネズミが巣作りのために断熱材を齧ったり運んだりしている可能性があります。
④ ラットサイン
ネズミは決まった経路を繰り返し通行するため、通り道には黒い跡が残ります。壁際や配管沿いにこのような跡(ラットサイン)がある場合には、ネズミの通り道になっている可能性があります。
⑤ 天井裏や壁内部での異音
ネズミの存在に気が付く最初の異変として、冒頭で示したような「音」の異変が挙げられることが多いです。ネズミは人の活動の無い暗い場所で活動する事が多いため、人のいない場所からの異音はネズミの可能性を疑った方が良いかもしれません。
〇ネズミによる企業へのリスク
• ネズミによる直接の齧り被害による建物や商品の破損
• 電気配線を齧ることによる火災・設備停止
• 糞尿による悪臭や汚損、建材の腐食
• イエダニやノミの発生による従業員の健康被害
ネズミが工場や店舗に侵入・定着すると、上記のような直接の被害の他、
• 企業イメージの低下
• 監査などの評価への悪影響
など、様々な悪影響が考えられます。
それでは、どのような対策を行うべきでしょうか。
〇施設内で実施できる予防対策
まず、自分たちでできるネズミを侵入させないための方法を考えてみましょう。
① 食品・原材料の管理徹底
ネズミは食料を求めて、屋内に侵入してきます。「餌となる試供品・原材料は密閉容器で保管」「食料品・ペットフードなどの放置禁止」などの日々の管理が、ネズミを侵入させないための対策につながります。
② 廃棄物・生ゴミ管理
上記同様ですが、特に管理が難しくネズミの侵入しやすい場所に置かれがちなものとして生ゴミなどの廃棄物が挙げられます。密閉容器の使用など廃棄ルール管理の徹底が重要となります。
③ 建物外周・設備の定期点検
前述したように、ネズミは2cmの隙間があれば侵入する事が可能です。外壁や配管周囲、通気口やシャッター下部などに侵入可能な隙間がないか注意する事が必要です。以前はバリア性が保たれていたはずの建物でも、老朽化や施工不良により侵入可能な箇所ができてしまう事がありますので、定期的な点検が必要になります。
④ 整理整頓と保管方法の見直し
段ボールなどの資材は、ネズミの隠れ場所や巣の材料になってしまう事があります。倉庫やバックヤード、建物周辺などに乱雑に積んで放置していてはネズミの住みやすい場所を提供することになりますので、注意が必要です。
施設管理において、ネズミ防除は非常に重要になります。特に大規模な工場や倉庫などでは総合的な管理が必要となりますので、ネズミについての心配がおありの際には、お気軽にご相談ください。
上記調査や管理の徹底の他、「建物全体の侵入口調査・可視化」や「天井裏・床下・壁内など目視困難箇所の確認」「建物構造や業種に適した防除方法の選定」などを行い、ネズミの管理の他、すでにネズミの侵入が見られる建物に関しては再発防止を前提とした施工管理提案をさせていただきます。
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