病院での環境消毒 

2019.08.22

環境中の微生物は水分やほこりのある場所に生存していますが、乾燥した環境でも長期間生存が可能な微生物もいます(黄色ブドウ球菌、腸球菌、クロストリジウム・ディフィシルなど)。

病院の環境整備の基本は、清掃でほこりや水分を取り除くことです。とくにドアノブやベッド柵などの高頻度接触面は、清掃とともに必要に応じて低水準消毒で清拭消毒することが推奨されています。
ただ消毒薬の噴霧や薫蒸、紫外線照射などは、効果が不確実であり人体に有害であることから推奨されてきませんでした。

ところが近年、前述のとおり微生物が環境表面に長期間生息しうること、また人の手による清拭消毒は不確実性があることから、海外では環境表面の微生物除去を目的とした広範囲の環境消毒(蒸気化過酸化水素や紫外線照射など)が見直されています。
日本でも厚労省通知(平成26年12月)のなかで、消毒薬の噴霧や散布、薫蒸や紫外線照射について、効果と安全性に関する科学的根拠、想定される院内感染のリスクに応じて慎重に判断することとしており、状況に応じた実施を推奨しています。

今後は清拭消毒と環境消毒をうまく組み合わせた効果的な運用が求められそうです。

カテゴリー:

ページの先頭へ戻る