感染症とは何か?

2012.12.20

ノロウイルスが原因とみられる感染性胃腸炎の流行が本格化しているようです。これからの季節はインフルエンザへの注意も必要になりますし、年末年始を海外で過ごされる方は、マラリアやデング熱、E型肝炎、赤痢、コレラなどの感染症に注意しなければなりません。今回は感染症の基本的な事柄についてお話します。

感染症とは

病原体がヒト(宿主)の体内に侵入・定着・増殖して引き起こされる疾患を「感染症」と呼びます。
※病原体:感染症を引き起こす微生物や変異プリオンのこと
※宿 主:寄生生物に寄生される側の動物や植物
※定 着:病原体は存在するが感染症状を発症していない状態

感染症は、(1)内因性感染症(2)外因性感染症の大きく2つに分けられます。

(1)内因性感染症:ヒトに常在している微生物(腸内常在細菌など)により発症する感染症のこと
(2)外因性感染症:体外から侵入した病原体により発症する感染症のこと

感染が成立する要因

感染は、病原体がヒト(宿主)の体内に侵入・定着・増殖することで成立します。感染が成立する要因として、(1)感染源(2)感染経路(3)宿主の3つがあげられます。この3つの要因が重なると感染症が起こります。

(1)感染源

病原体

感染症を引き起こす微生物や変異プリオン

病原体の量

病原体の量が少ないほど感染は成立しにくくなります
(病原体によって微量でも感染が成立するものもあります)

(2)感染経路

侵入様式

接触感染、飛沫感染、空気感染、昆虫等媒介感染など

(3)宿主

侵入門戸

病原体が体内に侵入するための経路
(口腔、鼻腔、気道、皮膚、眼、創傷、熱傷、チューブ、カテーテルなど)

感受性

ヒト(宿主)と病原体の力関係によって決まります
※ たとえば免疫が低下していると病原体が少量でも感染が成立します

うがいや手洗い・体温管理などを行い、宿主側の感染要因を低減すれば感染リスクを減らすことができます。メカニズムを知ることで効果的な防護方法を実践し、健康的な生活を送りたいものです。

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