蜂の種類と巣の形について

2015.10.21


例年8月~10月にかけて、ハチ駆除の依頼が多数よせられます。
我々の身近に営巣するハチ類には多数の種が存在しますが、なかでも依頼の多いものはスズメバチ類、アシナガバチ類、ミツバチ類の3種になります。
これらのハチ類は、種によって生態(ライフサイクルや巣の形状など)が異なるため、駆除方法も異なります。

ハチを見ても種がよく分からない場合は、まず巣の形状と大きさを観察しましょう。自分で駆除する場合も、専門業者に依頼する場合も、巣の形状など具体的な情報が多いほど駆除が行いやすくなります。ただし、刺されるなど怪我をする可能性もあるため、過剰な接近などハチを刺激する行為は控えてください。

以下、ハチの種類とその特徴になります。

■スズメバチ類(スズメバチ科 スズメバチ亜科)

攻撃性が高く、巣を守るために近づくものを積極的に排除しようとします。
そのため、人が気付かずに巣に接近してしまい、攻撃されることがあります。
巣は、木の枝上、樹洞や切り株内の他、民家軒下や天井裏などに作ることがあります。
形状は球状のものが多く、直径(長径)50cmを超えることもあります。色は褐色~茶色で、外被表面にマーブル模様が見られることがあります。新女王が生まれる夏~秋にかけて活動のピークを迎え、同時に攻撃性も高くなります。新女王以外は越冬できないため、冬には空き家となり、翌年に利用されることはありません。

(巣 外観)

■アシナガバチ類(スズメバチ科 アシナガバチ亜科)

スズメバチ科に属していますが攻撃性はそれほど高くはなく、捕まえる、巣に触れるなどしなければ、まず攻撃されることはありません。
巣は、木の枝上、草むら内の他、民家軒下などに作ることがあります。人の目線より低い位置に作ることも多く、知らずに近づき過ぎてしまい、攻撃されることがあります。
形状はお椀を逆さにしたような形が多く、ハスの実のような形に見えることもあります。色は灰色~茶色で、スズメバチ類とは異なり外被はありません。新女王が生まれる夏に活動のピークを迎え、8月~9月にかけて巣の規模が大きくなります。新女王以外は越冬できないため、冬には空き家となり、翌年に利用されることはありません。

(巣 外観)

(成虫)


■ミツバチ類(ミツバチ科 ミツバチ亜科)

家畜化されている昆虫でもあり性質はおとなしく、捕まえる、巣に触れるなどしなければ、まず攻撃されることはありません。
巣は、樹洞や切り株内の他、民家天井裏や壁の隙間などに作ることがあります。
形状は、巣板とよばれる平面状の構造を単数もしくは多数備えるもので、外被や外壁はなく樹洞や民家の壁などの構造物を巣板の防御に利用しています。巣本来の色は白色ですが、蜜が蓄えられることで蜜色になっていきます。春~初夏にかけて、新女王の誕生に合せて巣分れ(分封)を行います。上記のハチ類と異なり、1匹の女王が数年生存するため、巣が予想外に大きくなることがあります。家屋内に営巣した場合、不用意に接近してしまい攻撃される被害などの他、蜜の染みで壁が変色するなどの被害が出ることもあります。

(成虫)


15cm未満の小さい巣の場合、適切な駆除方法を知っていれば自分で駆除することも可能ですが、大きいものや高所に作られたものについては、ハチ本体の他、落下事故などの危険性もあるため、地方自治体の担当課や専門業者に相談することをお勧めいたします。

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