今年のカビとチャタテムシに関する所感

Hygiene and environment management services

早いもので、もう年末が近づいてまいりました。振り返ると、今年は、夏が非常に暑く、また長かったことが思い出されます。そのせいかはわかりませんが、今年は、カビやチャタテムシに関する相談が多く寄せられていました。

当社で主に取り扱っている医療や製造区域などの高清浄度の現場では、局所的なチャタテムシ類の発生が問題になる事が多いのですが、今年は、エリア内全体に、チャタテムシが多く発生しており、問題の現場を調査すると壁や天井裏に大規模なカビが発生していたという事例がいくつか見られました。

これは、今年の暑さの中で、

  1. エアコンの連続稼働による結露や、ドレーン水があふれる事でエリア内の湿度が上がった
  2. 湿度が上昇したことによりカビの生育環境が整い、大規模なカビの増殖が起こった
  3. カビを餌とするチャタテムシ類が増殖した

という事が起こっていたのではないかと推察されます。

高清浄度エリアにおいて、カビの存在は大きな問題になります。

これらの現場では、殺カビ処理や空調による湿度の改善などを行い対処いたしましたが、カビの繁殖に気づけていないままであったら、エリア内のカビ汚染は深刻なものになっていたかもしれません。

今回の事例で、誰も気づけていなかったカビの繁殖を知る事ができたのは、カビを餌にして繁殖する「チャタテムシ」の増殖を、いち早く検知する事ができたからでした。

当社でも行っている『昆虫モニタリング』は、建物内の昆虫の生息状況を調べ、異物混入の原因となる昆虫の数をコントロールする事を目的としています。しかし、このように、気づけていなかった建物の問題やイレギュラーな問題が「昆虫の発生状況」を通してわかるようになる事もあります。

ひたすら暑い日が続いていた2024年は、自分たちの扱っている昆虫モニタリングの価値を再認識する、そんな年でもありました。

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ペストコントロールグループリーダー

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