スレート板の分析

先日スレート板の石綿分析のご依頼がありました。「石綿含有建材データベース」によると、石綿含有スレート板にはクリソタイル・アモサイト・クロシドライト含有の可能性があります。

しかしながら実際に分析をしていると、クリソタイルのみ含有している石綿含有スレート板がほとんどです。
今回はJIS A 1481-1法でのご依頼でしたが、補完分析としてX線回折分析を行いました。

X線チャートを見てみると、クリソタイルのほかにアモサイトのピークも確認できました。

次に実体顕微鏡による予備観察を行い、クリソタイルとアモサイトの繊維を確認しました。
繊維をピックアップし、偏光顕微鏡によりクリソタイルとアモサイトそれぞれの光学特性を確認しました。

実体顕微鏡でクリソタイルとアモサイトを見分けづらく、アモサイトの含有量が少ない検体でしたが、X線ピークを確認できたためアモサイトを早期発見することができました。
補完分析はその分手間がかかるためデメリットもありますが、精度の高い分析をするためには効果的なものであると実感しました。