GMPエリアの清掃用具管理ポイント:~品質を守るために~

Hygiene and environment management services

今月の筆者はGMPエリアを含む工場に常駐し、日常清掃、高所清掃、定期清掃、特別清掃を管理及び施工しております。GMP(Good Manufacturing Practice)エリアでは、製品の品質と安全性を確保するため、清掃用具の管理が非常に重要です。適切に管理された清掃用具は、交差汚染や微生物の繁殖を防ぐだけでなく、作業効率を高める効果もあります。本記事では、GMPエリアでの清掃用具の管理におけるポイントを解説します。

1. 清掃用具の選定

GMPエリアで使用する清掃用具は、次の基準を満たす必要があります:

  • 耐薬品性:洗浄剤や消毒剤の影響を受けにくい素材を選ぶ。
  • 洗浄しやすさ:複雑な構造の用具は避け、簡単に分解や洗浄ができるものを選ぶ。
  • 素材の非反応性:ステンレススチールやポリプロピレンなど、反応を起こしにくい素材を使用。
2. カラーコーディングによる管理

エリアごとや用途ごとに清掃用具を色分けする「カラーコーディング」は、交差汚染防止の有効な方法です。

例えば:

  • 緑:日常エリア
  • 青:充填室エリア
  • 赤:製造エリア(汚染リスクが高い場所)

この方法により、清掃用具の誤使用を防ぎ、管理を簡素化できます。

3. 清掃用具の保管

清掃用具を適切に保管することで、汚染のリスクを低減できます:

  • 専用の保管場所:清掃用具はエリア外での保管を避け、専用のラックやキャビネットに整理する。(筆者の管理する工場では、各フロアにラックを用意し、それぞれのラックに清掃用具を用意し、別のフロアへ持ち出しの必要がないようにしています。作業者が用具も持ち出す手間を省き、万が一用具に汚れが付着したままの際、他のフロアへ汚染を広げないようにしています。)
  • 乾燥状態の維持:使用後は完全に乾燥させてから保管する。湿った状態は微生物の繁殖を促す可能性があります。(使用後に水気を切ることは当然ですが、収納時に床に付着したままにならないように収納しています。)
  • 定期的な点検:破損や摩耗した清掃用具はすぐに交換する。
掃除用具.png
4. 使用後の洗浄と消毒

清掃用具そのものが汚染源とならないよう、使用後の洗浄と消毒は徹底する必要があります。

  • 洗浄の手順を標準化:洗浄プロセスをマニュアル化し、誰が清掃を行っても同じレベルの清潔さを維持できるようにする。
  • 適切な洗浄剤の選定:汚れの種類や清掃用具の素材に適した洗浄剤を使用。
  • 消毒後の確認:消毒後の表面や状態を目視や検査で確認する。
5. 清掃記録の管理

清掃用具の管理と同様に、清掃活動の記録も重要です。記録を残すことで、トレーサビリティを確保し、

GMP監査にも対応できます。

  • 清掃の日時、担当者、使用した清掃用具、作業方法、頻度を明記。
  • 定期的に記録を見直し、改善点を把握する。
6. トレーニングの実施

清掃用具の適切な使用方法と管理方法について、スタッフ全員にトレーニングを実施しましょう。知識の共有により、全体的な清掃の質が向上します。特に入社時の教育には注意し、3ヵ月後のチェック、1年ごとの再教育等、周期を決めての確認が大事です。

まとめ

GMPエリアの清掃用具の管理は、製品の品質維持や汚染防止の観点から欠かせません。適切な用具の選定、保管、洗浄方法を徹底し、記録管理とトレーニングを組み合わせることで、効率的かつ確実な清掃プロセスを実現できます。GMPエリアで働く全ての人が、この管理の重要性を理解し、日々の業務に活かすことが成功の鍵です。

Share this article
Hygiene and environment management services

Contact

Please feel free to contact us if you have any problems with improving the environment.