アスベスト分析、過去の報告書の留意点

2019.10.31

改めて説明されることもあまりないので、お客様の中でしっかりと認識しておられる方は少ないのですが、アスベストという名前の鉱物は存在しません。定義は国の法律などによって定められるため多少違いますが、以下の写真に挙げた鉱物の中で繊維状のもののことをアスベストと言います。

アスベスト顕微鏡写真.jpg

中でもクリソタイル、アモサイト、クロシドライトはそれぞれ白石綿、茶石綿、青石綿と呼ばれ、国内では多くの建築材料に使用されていました。一時期、これら三種類のみを対象とした分析調査も行われていました。

先日お客様より、「クリソタイル、アモサイト、クロシドライトを対象としたアスベストの分析を過去に実施したのですが、この結果は調査報告に使用できますか?」というご質問をいただきました。このようなケースについては、厚生労働省より平成20年2月6日付で通達(基安化発第0206003号)が出されており、分析の結果不検出となっていた場合、トレモライト、アクチノライト、アンソフィライトについて追加分析を行わなければならないとされています。※いくつかの状態について、但し書きがあります。

アスベストの分析結果報告書は、基準値や分析手法、法律などの変更に伴って読み取らなければならない情報が変わってしまっている場合があります。調査から解体工事までの期間が長くあいた場合などは、一度詳しく調べなおしてみる必要があるかもしれません。

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