エアカーテンでの防虫

衛生環境管理サービス

食品工場や医薬品倉庫、精密機器の工場などでは、防虫対策のためのエアカーテン設置が当たり前になっています。

しかし、「エアカーテンが付いているなら、昆虫が侵入してくることはないだろう」と思ってしまうと大変な事になります。

「エアカーテンを設置しているのに、虫の侵入が減らない」
そのような相談をいただく事がよくあります。これは何故なのでしょうか。

まず、設置の位置が間違っておりエアカーテンが十分な効力を発揮できていない可能性が挙げられます。
これは工事の時点で気をつけなければならない内容ですが、設置後も風速や風向等の設定が現状にあっていなければ満足な防虫効果は得られません。

ユスリカなどの小さな羽虫の仲間は、弱い風でも対応できますが、飛行能力の高いハエ類(キンバエやイエバエなど)の侵入を防ぐためには強い風が必要になります。

しかし、強すぎる風は向きを間違えると周囲の空気を巻き込んでしまい、小さな羽虫などを逆に建物内に引き込んでしまう事もあります。

エアカーテンの機種によっては、風速ごとに対応できる虫の種類などをメーカーで提示していますので、設定の際にはそれらのデータが参考になります。

また、エアカーテンが設置されていたとしても、扉が常に解放状態であれば昆虫はどんどん侵入してきてしまいます。

エアカーテンは、あくまで扉を解放した際に侵入してしまう虫の数を減らすためのものですので、普段は扉が閉じられている事が前提になります(エアカーテンのみで、完全な防虫は不可能)。

開閉回数や開口時間を減らすなど、運用的な取り組みができていなければエアカーテンは十分な力を発揮できません。

エアカーテンの設置は大きな防虫効果をもたらしますが、上記のように気をつけなければならない点もいくつかあります。

普段どんな種類の虫が侵入してきており、それをどの程度に抑えたいかそれらを考えていく上でも、普段の昆虫モニタリングが大事になってきます。

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