濃度基準値物質の確認測定とは? ~実施タイミングをQ&Aで解説~
2026-08-31

濃度基準値物質に関する確認測定がスタートし、多くの事業場で対応が進められています。
一方で、「どのタイミングで測定を行えばよいの?」「このケースでも測定が必要なの?」といったご相談をいただく機会が増えています。
確認測定は、正しく理解することで無駄な測定を避けながら適切なリスク管理につなげることができます。
今回は、実際に寄せられた質問を取り上げながら、確認測定に関するよくある疑問を Q&A形式で解説します。
~濃度基準値物質の確認測定実施についてご検討の際に~
Q. いつ実施すれば良いの?先に改善したら測定しなくて良い?
A. リスク見積の手段として、濃度基準値を超えるおそれがあると判断された場合に、改善(リスク低減措置)の検討前に実施します
リスクアセスメントの実施フローは次の5つに分類されます。
- 危険性・有害性の特定
- リスクの見積をとる
- リスク低減措置の検討
- スク低減措置の実施
- 従業員への結果の通知・記録
多くの事業所様では厚生労働省の化学物質リスクアセスメントツールであるCREATE-SIMPLEをご使用だと思います。
ただ、ここで気を付けたいのがCREATE-SIMPLEには「リスク低減措置の内容検討支援」機能も含まれていますが、リスクアセスメントにおいては主に「危険性・有害性の特定」から「リスクの見積り」までを支援するツールとして位置付けられています。
厚生労働省からは、確認測定はリスク見積のための手段であって、CREATE-SIMPLE等の結果、濃度基準値を超えるおそれがあると判断された場合には、
リスク低減措置の検討に先立ち、確認測定の実施が必要となる場合があることが
示されています。
Q. マスク付けたら測定しなくても大丈夫?
A. 呼吸用保護具は重要なリスク低減措置の一つですが、原則として代替化・工学的対策・管理的対策を検討した上で選択するものとされています。
リスク低減措置の考え方として次の優先順位に従い対策検討を行うものとされています。
- 危険性、有害性の 低い 物質への 代替
- 工学的対策
- 管理的対策
- 有効な 保護具の 使用
ここで、なぜ保護具の優先度が1番低いのか?という疑問が浮かびやすいと思いますが
保護具は前提として、【適切に選択・使用されなければ効果を発揮しない】 という点がポイントとなってきます。
これに比較して、(危険性自体を取り除く本質安全化)や(工学的対策としての局所排気装置・密閉化・遠隔操作化など)が、信頼性の観点から、より上位の優先順位として位置付けられています。
仮に、リスク見積のタイミングで優先順位通りのリスク低減措置の検討をとばして 最初から保護具の使用とした場合には、より優先順位の高い措置の検討余地がなくなってしまい、リスクアセスメントや関連指針等の趣旨からも逸れてしまうこととなります。
また、呼吸用保護具の適切な選択や使用を確認するためにマスクフィットテストの規定が 運用されています。
Q.作業環境測定作業場でのSDSチェックしたけど対象物質は無かったよ!
A. 既に実施されている作業環境測定の箇所のみでなく、事業所で取扱いの 全ての化学物質のうち【リスクアセスメント対象物】に該当するものが 対象となります。
以下の表はあくまで一例ですが、これらのご使用などがありましたらSDS収集の後に リスクアセスメントの実施結果に応じた各種対応が求められます。
〇事業所でリスクアセスメント対象物となる一例

Q. 作業環境測定をしているから濃度基準値確認測定はしなくて良い? 確認測定をしたら作業環境測定はいらない?
A. 2つの測定は別々の義務付けとされており、どちらかの実施によって免除されることはありません。
作業環境測定と確認測定は法的根拠と目的や手法がそれぞれ異なりますので、それぞれの 対応検討が必要となります。
作業環境測定:労働安全衛生法 第65条による規定
濃度基準値物質にかかる確認測定: 労働安全衛生規則 第577条の2第2項による規定
作業環境測定では、いわゆる「場の測定」といわれるもので、作業場の作業環境の状態を評価する測定種となります。対して、確認測定では化学物質の自律的管理に基づき 労働者のばく露リスク管理として行われるもので個人ばく露測定を中心とした手法が活用されています。 場合によっては、両測定が必要な場合も発生しますので 事業場の個別の状況に応じた検討が必要となります。
~まとめ~
今回は、濃度基準値物質に関する確認測定について、実際によくいただくご質問を Q&A形式でご紹介しました。
なお、確認測定が必要かどうかは、まず事業場で使用しているリスクアセスメント対象物を把握し、リスクアセスメントによる見積りを行った結果に基づいて判断します。
濃度基準値物質を取り扱っているからといって、直ちに全ての作業で確認測定が必要になるわけではありません。
今後のリスク管理のためには自社に必要な対応を整理することが欠かせません。 対応にお悩みの際はお気軽にお問い合わせください。
本記事が、確認測定に関する疑問解消の一助となれば幸いです。
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