シロアリ[羽蟻]の季節

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春から初夏にかけて、写真のような姿の虫がトラップに捕まることがあります。

さて、この虫は何だか、御存じでしょうか。

 

これは、シロアリの羽蟻です。

正確にはヤマトシロアリの羽蟻が翅を落とした姿になります。

日本にはいくつかの種類のシロアリが生息していますが、家屋害虫としてポピュラーな種類として有名なのは2種類、ヤマトシロアリとイエシロアリがいます。本州では、ヤマトシロアリが4~5月、イエシロアリが6~7月に結婚飛行を行う事が多く、このようにトラップに捕まるのもこの時期になります。

 

さて、シロアリと言えば材木を食害する家屋にとっての大害虫ですが、シロアリの羽蟻がモニタリングトラップに捕獲された場合は、どのように扱うべきでしょうか?

あくまで、木造でない建物を対象とした場合の話ですが、私は「一般の外部侵入性の飛翔性昆虫と同様に扱う」ので良いと考えています。

(一般的に、昆虫モニタリングを必要とする工場や倉庫では、木造のものは少ないと思われます。)

シロアリは屋外で群飛を行い、光によく飛来します。そのため、数匹程度であれば、トラップに捕獲される事はよくありますし、外部侵入性の飛翔性昆虫として、侵入対策を行えば十分であると考えられます。

ただし、躯体の中に木材を使用しているような場合や、木製の物が大量に置かれているような場合などは、建物内部に定着してしまう=木材を長期にわたり食害する可能性があるため、注意が必要かと思われます。

また、「トラップに大量のシロアリの羽蟻が捕獲されている」「建物内に、シロアリの翅が大量に落ちている」などの場合は、群飛の発生源となる巣が建物の内部、もしくは近辺にある可能性が高いため、速やかに周囲を確認し、必要であれば防蟻を行う必要があるでしょう。

羽蟻でない、いわゆる兵蟻や働き蟻が屋内で捕獲された場合は、残念ながら建物内に巣がある可能性が高いと思われます。もしくは、巣の一部になっていたもの(例えば、木製のパレットなど)が持ち込まれた状態であり、どちらにしろ、良い状態とは言えないと思われます。

以上のように、シロアリが捕獲されたからと言って過剰に気にする必要はないのですが、状況によっては深刻な問題が発覚する場合があるのがシロアリの怖いところです。

 

社内で新人にする教育として、私はよく「シロアリが捕獲されたら、その様態も合わせて必ず報告するように」という話をしています。羽蟻なのか、働き蟻なのか、もしくは翅を落とした羽蟻なのか。その数は多いのか少ないのか、それらの情報や現場の状況を鑑み、本当に問題がある状態なのかどうなのかを推理する事になります。

捕まった虫から、「何を読み取るか」がこの仕事の難しいところでもあり、逆に醍醐味でもあるのだと徒然思う、梅雨時のこの頃です。

 

ペストコントロール技術部部長

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