アスベストを含む建物の取り壊しに必要な準備と事前調査
2025-07-14

アスベストを含む建物の取り壊しを行うには、安全性を確保するために、計画段階から綿密な準備と有資格者による事前調査が必要であり厳格化されました。
適切な手順を踏むことで、近隣住民や作業員の健康被害リスクを最小限に抑えることを目的とします。
有資格者による調査と分析
はじめに、「特定建築物石綿含有建材調査者」「一般建築物石綿含有建材事前調査者」「工作物石綿事前調査者」などの有資格者により、アスベスト含有建材の有無を調査します。
調査は、建物の設計図書や施工記録、改修履歴などを確認する書面調査から始まり、その後、現地での目視確認や必要に応じた分析調査を実施します。
分析調査は採取した建材のサンプルを専門の分析調査機関に依頼することで、石綿含有の有無が判定されます。分析調査では、実体顕微鏡及び偏光顕微鏡やX線回折装置を用いて、アスベストの含有の有無と種類を特定します。(分析調査機関として、上記機器に加え電子顕微鏡の保有は必要です。)
作業計画と届出、住民対応
石綿事前調査結果で石綿がありと判明したら(またはみなしで進める場合)、次は作業計画書の作成です。この作業計画書には、除去手順、防護措置、使用する設備、廃棄物処理方法などの詳細を盛り込みます。
さらに、飛散性が著しく高く、取扱いに注意が必要なアスベスト含有建材(レベル1,2)のアスベスト除去作業は「石綿障害予防規則(石綿則)」および「大気汚染防止法」に基づき、作業開始の14日前までに労働基準監督署や自治体へ届出を行う必要があります。
比較的飛散性の低いレベル3のアスベスト含有建材であっても、条例によって届出を必須とする自治体もあるため、事前確認が重要です。
また、工事の規模によっては、周辺住民への理解を得るために、説明会の開催や案内文書の配布も重要となります。
こうした準備を丁寧に進めることで、トラブルを防ぎ、円滑に解体工事を進めることを可能にする為に事前調査を当社にご用命ください。
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