モルタルの分析について
2026-05-07

モルタルとは、セメント、砂、水を混ぜ合わせて作られた建築材料です。モルタル=コンクリ-トだと思われがちですが、似て非なるものです。
一般的にコンクリ-トにはアスベストは含まれていませんが、モルタルにはアスベストが含有しているケースがあります。
当社はJIS A-1481-1での分析が主ですが、今まで様々な建材を分析してきて、個人的に特に気を付けないといけないと思うのがモルタルです。
その理由として
①0.1%を超えるか、未満かの判断の難しさ
②実体顕微鏡で見つけるのは困難であり、骨材等(夾雑物)が多く、また硬いので1次試料PLM分析で見逃してしまうリスク
上記2点があげられます。
①0.1%を超えるか、未満かの判断の難しさ
当社ではモルタルの場合、定性分析依頼でも内部的に定量分析を行っています。定性分析で求められるのはあくまでも推定含有率ですが、特にモルタルはアスベストが含有している場合、莫大な工事費用がかかってしまうケースがあるので、そこの精度は確かなものでないといけないと考えています。
②実体顕微鏡で見つけるのは困難であり、骨材等(夾雑物)が多く、また硬いので1次試料PLM分析で見逃してしまうリスク
含有率が極めて低い(検出下限値~定量下限値付近)モルタルからのアスベスト繊維の検出が難しいといった分析員の声が実際あります。
そもそも高頻度で含有しているわけではないので、先入観で「モルタルだし無含有の可能性が高い」と考えてしまい、見落とすリスクが増えてしまいます。
当社では、JIS A-1481-1分析依頼の場合でも、XRDを使用しています。あくまでも参考目的で…。XRDも高感度ではないので、低濃度アスベスト含有建材だとピーク検出が困難なケースがほとんどです。
ただ、予測をする上では有効で、「薄い層に含有している可能性があるな」「含有していても低濃度だな」といった具合に。
ただし前処理が正しく行われている前提ですが…
モルタルに話を戻しますと、XRDでは見落としをカバ-できない可能性が高く、信用するのは危険だということです。次のグラフを見ていただければ一目瞭然です。

上記のグラフは、2次試料(灰化→粉砕→酸処理したもの)をX線回析したものです(どの種類の建材も基本的には灰化→粉砕→酸処理で2次試料を作成しています)。プレパラ-トを複数枚作成しましたが、アスベストが検出できなかったものもありました。ピ-ク強度があまりのも小さいので、プレパラ-トを何枚か作成し、検出できなかった時点で、「無含有」としてしまう恐れがあります。

上記のグラフは、2次試料(酸処理のみしたもの)をX線回析したものです。
ピーク強度がグラフ Ⅰと比べて明らかに大きいのがわかります。プレパラ-トを複数枚作りましたが、全てからアスベストを検出することができました。
グラフ Ⅰは骨材等の夾雑物が含まれているため、ピーク強度が小さくなり、検出が難しくなってるいると思われます。
グラフ ⅠとⅡを見比べて、建材毎に適切な前処理を行うことが重要だと再認識させられます。
分析は日々勉強です。当社の分析員は更に知見を深め、広げていけるように日々精進しています。
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