使用溶剤の代替品への検討

2019.02.25

有機溶剤を使用し、作業環境測定が義務付けされているような作業場においての改善策として、局所排気装置を設置したり、作業内容を見直したりすること等が考えられます。現在使用している有機溶剤含有物を他の有毒性がより低い代替品に変更するということもその選択肢の一つとして挙げられます。

例えば、作業環境測定をした結果、使用している塗料に含有しているトルエンの拡散が酷く、濃度が高くなり、第3管理区分に該当してしまったとします。改善策として、トルエン含有塗料を、その代替品の酢酸ノルマル-ブチル含有塗料に変えます。トルエンも酢酸ノルマル-ブチルも同じ第2種有機溶剤であり、使用用途と含有量によってはどちらも作業環境測定の測定対象となるのですが、トルエンの管理濃度は20ppmであるのに対して、酢酸ノルマル-ブチルの管理濃度は150ppmです。管理濃度とは作業環境測定結果の評価基準となる濃度で、その溶剤の有毒性により設定されています。同じ作業内容で同じ容量を使用し、同じような拡散の仕方をした場合、管理濃度が低い溶剤(上記の例ではトルエン)から毒性がより低く、管理濃度が高い溶剤(上記の例では酢酸ノルマル-ブチル)含有塗料を使用した方が管理濃度を逸脱するリスクが低くなるのです。

局所排気装置の設置や作業内容の見直しが難しい作業場において、改善策の一つとして考慮してみてもいいかもしれません。

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