職場の空気環境(労働環境)の指針となるもの

2015.12.05

有害物質を使用する労働環境に対する評価値として、作業環境測定で用いる管理濃度の他に、抑制濃度や許容濃度、制御風速等が挙げられます。

・管理濃度とは作業環境測定結果の評価基準となる濃度です。作業環境測定結果から当該単位作業場所の作業環境管理の良否を判断する際の管理区分を決定するための指標です。これにより、工学的手法(局所排気装置の設置等)による環境改善や作業方法の改善等の必要性を判断します。
(「作業環境測定」についての詳しい説明は、弊社HPの環境測定・分析サービス→作業環境測定のページをご覧下さい。)

・ほとんどの労働者が通常の勤務状態(1日8時間、1週40時間)で働き続けても、そのことが原因で、著しい健康被害を起こさないと考えられる「暴露量」を「暴露限界」としています。
その暴露限界を示したものとして、
日本産業衛生学会の許容濃度、USAのACGIH(American Conference of Governmental Industrial Hygienists)(米国産業衛生専門家会議)のTLV(Threshold Limit Values)があります。
これらは発生源の密閉や局所排気装置の設置等の対策を行う等、作業環境を管理する目安とされます。あくまで管理対象は作業環境に対してであり、「ほとんどの労働者が著しい健康被害を起こさないと考えられる」値ですので、人に対して安全かどうかを保障するものではありません。

・抑制濃度とは、特定化学物質等について局所排気装置が適切な機能を維持しているか、その性能を表す値として用いられます。発散源周辺の化学物質濃度をその値以下に抑えることによって、作業者の暴露濃度を安全水準に保つように意図して定められた濃度(工学的対策の指標)です。

・制御風速は労働環境において、局所排気装置を稼働させたときに有害物の発散を防ぐために必要であると思われる風速を表します。局所排気装置のすべてのフードを開放した場合の風速をいい、囲い式やブース式のフードではフードの開口面における最小風速を、外付け式やレシーバー式フードでは有害物を吸引する範囲内におけるフードの開口面から最も離れた作業位置の風速を言います。

許容濃度は、日本産業衛生学会等による勧告であり、抑制濃度と管理濃度については厚生労働大臣の告示です。

弊社では、これらの指針を基に、作業環境測定の実施等を通して、労働環境をより安全なものに改善・維持するお手伝いをしたいと考えております。何かございましたら、お気軽にご相談下さい。

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